DACI 意思決定フレームワークとは
DACI とは、意思決定プロセスにおいて主要な利害関係者の役割と責任をチームに明確にすることで、意思決定プロセスを簡素化するための略語です。DACI の頭字語の説明は、以下のとおりです。
- D = Driver (推進役): 利害関係者を集め、必要な情報をすべて収集し、意思決定の範囲を定義し、合意された日までに意思決定が下されるようにする責任を持つ人です。
- A = Approver (承認者): 意思決定を行う 1 人の担当者です。これにより、承認者の役割は、受動的に「ゴム印を押す」ことから、非常に積極的に「意思決定を行う」ことに変わります。
- C = Contributors (貢献者): 主題分野の知識があり、提案できる人です。発言権はありますが、投票権はありません。
I = Informed (報告先): 決定によって仕事に影響が出る可能性があり、意思決定が下された後に知らせるべき人です。投票権も発言権もありません。
DACI 意思決定プロセスを使用する理由
McKinsey & Company が実施した調査によると、DACI フレームワークを利用するプロジェクトは、そのフレームワークを使用しないプロジェクトと比較して、目的とスケジュールの達成率が 25% 高いことがわかりました。
DACI プレイを実行するタイミング
新しいプロジェクトを立ち上げるときや、進行中のプロジェクトで障害に遭遇したときは、いつでもアトラシアンのテンプレートを使って DACI プレイを実行してください。DACI が役立つその他の状況は以下のとおりです。
1. 複雑な意思決定: 複数の利害関係者や部門が関与する場合。
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例: 新製品発売戦略を決定する。
2. 重大な意思決定: 組織全体に重大な影響を与える場合。
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例: 戦略的な市場参入の意思決定を行う。
3. 部門横断プロジェクト: 異なる分野間の協力が必要な場合。
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例: ソフトウェア機能を開発する。
4. リソース配分: 予算、人員、または時間の配分を決定する場合。
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例: マーケティング予算を配分する。
5. プロセスの改善: プロセスを強化または実装する場合。
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例: 新しいプロジェクト管理ツールを導入する。
DACI フレームワークの 5 つの利点
- 説明責任: DACI により、役割と責任が明確に割り当てられることで、混乱が減り、効率が上がります。
- コミュニケーションの向上: DACI により、関連するすべての利害関係者に常に情報が共有され、その意見がどのように考慮されるかが事前に定義されます。
- 意思決定時間の短縮: DACI により、意思決定プロセスが合理化され、迅速な解決につながります。
- コラボレーションの強化: DACI では、さまざまな利害関係者とのコラボレーションが促進され、チームが共通の目標に向かって取り組む環境が作り出されます。
- より質の高い意思決定: DACI により、見落としのリスクが最小限に抑えられ、十分な情報に基づいた意思決定ができるようになります。
前提条件
スクリーン共有やミーティング スペースを使用したビデオ会議
デジタル コラボレーション ツール (テンプレートを参照)
オプションのテンプレート
アトラシアンテンプレート
DACI 意思決定フレームワークの使用方法
5 秒の要約
- DACI の役割を定義して割り当てる。
- DACI テンプレートと関連情報を記入する。
- 下された意思決定の内容をまとめて共有する。
1. DACI 書類を準備する 5 分
新しいプロジェクトを始めるときは、チームが効果的にコラボレーションできように指定された共有スペースを用意することが重要です。Confluence や同様のツールでコラボレーションできるドキュメントを使用することは、成功に不可欠です。
DACI フレームワークを使用してプロジェクトをスムーズに始められるように、Confluence にはすぐに使えるテンプレートがあります。ドキュメントのタイトルには、「DACI: [回答しようとしている質問]?」という形式を使用します。
2. 推進役を割り当てる 5 分
まず、チームは意思決定の推進役について合意する必要があります。推進役は以下のことを行います。
- すべての利害関係者に情報を提供する。
- 必要な情報を収集する。
- 質問に答え、アクション アイテムを完了する。
推進役は DACI ミーティングの進行役も務めます。まず、決定すべき事項をチームにリマインドすることから始め、その後、正しい意思決定を行うために必要な情報をすべて収集する計画を立てることが目標であると強調する必要があります。
3. 承認者と貢献者の両方を割り当てる 5 分
次に、意思決定の承認者を選びます。承認者は最終決定権を持ち、通常は意思決定の権限を持つマネージャーまたはリーダーです。
承認者を選んだら、次に貢献者を特定します。このチーム メンバーは、意思決定に必要な専門知識を持っています。知識のある数人を選んで、サポート情報を提供してもらいます。
推進役は、貢献者をどのように参加させるかを決めます。グループ ミーティングに招待するか、1 対 1 で意見を集めるかを選択します。
4. 報告先を割り当てる 5 分
「報告先」の下に、意志決定の影響を受けるが意思決定には直接関与しない人を含めます。報告先とは、意思決定の結果により業務内容を変更することになる可能性があり、その結果を把握する必要がある人とチームです。 たとえば、マーケティング、法務、セールス、サポートなどがあります。
5. アクション プランを策定する 10 分
では、準備を整え、背景を説明しましょう。DACI Confluence のテンプレート全体を完成させます。ただし、アクション アイテムと結果セクションは、それぞれプロセスの途中とプロセス後に記入します。
推進役は、意思決定を行うために収集する必要がある情報として、以下のことを説明します。
- 詳細: これには、現在のステータス、影響、関係者全員、期限、決定後の結果を含める必要があります。
- 背景: 検討事項と必要な意思決定について 1 ~ 2 文で説明してください。意思決定の重要性とその影響についても簡単に説明します。
- 関連データ: ビジネスに影響する可能性があり、意思決定の際に考慮すべき関連調査、データ、フィードバックをすべて含めてください。
- 意思決定要因: コスト、時間、拡張性など、各オプションを評価する際に考慮する要因を含めてください。
検討対象のオプション: 説明、長所と短所、推定リソースおよび財務コストなどを含めた各オプションをテーブル形式で提示してください。
6. 意見を集めて意思決定する 10 分
まず、DACI をチームと共有して、意見を述べてもらいます。一緒に作業し、アイデアを共有し、少し健全なスパーリングを行うことが、選択肢を徹底的に探るのに役立ちます。
7. アクション アイテムを整理する 10 分
先に進むには他に何が必要ですか? アクション アイテムのセクションには、プロジェクトのこのフェーズを完了する前に対処する必要がある情報、タスク、または質問をリストアップしてください。各アクション アイテムには、チーム メンバーの名前を @mentioning で割り当てます。
8. 結果を共有する 10 分
チームの意見がまとまったら、承認者に決定をしてもらいます。それが終わったら、必ず結果をまとめて共有し、チームに知らせてください。
その他のパターン
RACI
RACI フレームワークは DACI に似ていますが、Responsible (実行責任者)、Accountable (説明責任者)、Consulted (協業先)、Informed (報告先) の頭字語がわずかに異なります。実行責任者は、作業を完了する人です。説明責任者は、作業の最終承認者です。協業先と報告先は同じです。
フォースフィールド分析
フォースフィールド分析を使って、意思決定に影響を与える賛成要因と反対要因を判断してください。これらの要因を影響の強さに基づいてスコア付けし、利用可能なオプションとそれぞれの費用対効果を評価します。
フォローアップ
決定
意思決定に達したら、コラボレーション ドキュメントに最終意思決定を記録します。こうすることで、意思決定に至った方法や理由に関するコンテキストを今後のチームに提供できるようになります。
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